先のブログで、高齢者の旅について書いたところだけど、最近、奈良県や奈良観光協会などが団塊の世代を主な対象に、奈良の魅力を再発見してもらう観光パック「熟年修学旅行」を新規企画したそうだ。オフシーズンの宿泊観光促進が狙いで、ボランティアガイドによる史跡の無償案内や無料体験イベントを味わえるのがウリだそうだ。
うん、確かに奈良は高齢者にもじっくりと見てもらう場所が多いし、若い頃の修学旅行を振り返るのも楽しいだろう。それに、若い修学旅行生でごった返していない時期の観光も、高齢者にとってはちょうどいい按配なのかもしれない。
そういう意味では、なかなかうまい企画とネーミングだと思う。
しかし、ボクが奈良に10年ほどいた経験から思い起こすと、奈良本来の文化をじっくりと知る機会は非常に少なかったと思う。
夜中に偶然とおりがかったのだが、奈良公園の中にほんのりと見える光と雅楽のような音に惹かれて近づいてみると、ひっそりと焚き火能が行われていて、地元の人たちだけで静かにしかし厳かに見物していた思い出がある。
そのとき、歴史や文化に興味のない人間が観光という名目だけでそういう行事に押し寄せて文化破壊を起こすくらいなら、地元の人たちだけでひっそりと伝統を受け継いでいく方がはるかに意義があると感じたものだ。
その一方で、奈良公園の周辺の店も日が暮れるとすぐに閉店してしまい、観光後の買い物の楽しみなどがまったく考慮されていないことにガッッカリしたものだった。
奈良は日本文化の宝庫であるにもかかわらず、伝統文化の保存方法についても、観光都市としての客サービルについても明確な方針がなく、関係者や地元の人たちの意気込みだけに頼っているように感じた。
この企画が、単に奈良の観光客の少ない時期の穴埋めイベントのような形でなく、本当の奈良文化のファンにとどける丁寧な文化継承の行事となることを期待したいものだ。
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